海外で働く

経営者と雇用される側のどちらも経験して|数ヵ月のアルバイトで学んだこと

バリスタの短期アルバイトを2ヵ月経験して、昨日、最終出勤日を終えました。

たった2ヵ月間ではありましたが、このカフェでの経験が思っていた以上にわたしの中で大きい学びになったので、

未来の自分のために、記録したいと思います。

雇用される側の立場を経験して、またさらに気づけたこと

わたしは、24歳から28歳までの4年間、夫と一緒にWEB広告の会社を経営、その後、28歳~30歳の2年間、食堂を併設したゲストハウスの経営をしていました。

24歳のときから30歳までのたった6年間だけでしたが、経営者として、一緒に働いてくれる仲間を集め、雇用し、会社を運営してきた経験があります。

その時の経験はすごくすごく貴重なもので、いろんな挫折をしたり、仲間に助けられたりと、たくさんの出来事を通して勉強させてもらいました。

そして、6年間でたくさんの出来事があった中でも、わたしがいちばん心に残っているのは、WEB広告の時代・ゲストハウスの時代ともに、雇用させてもらっていたスタッフさんたちの存在でした。

6年間でいろんな人間関係の物語がありました。

経営面で起こったどんな出来事より、
人間関係の物語、そしてそれを経て学んだことの方が、遙かに心に残っています。

良かった思い出も、苦い思い出も、後悔していることもありますが、それも全部含めて、経験として次に活かしていきたいな。と思っています。

32歳。海外でアルバイトを経験して得た気づき

そんな、20代後半を経て、30代に差し掛かった1年前に済州島に移住をし、移住半年目で、現地飲食店でのアルバイトに挑戦。

語学をもっと伸ばしたいというのが一番の理由ではありましたが、正直日本での飲食店経験も長かったので、ちょっと気楽に始めてしまった部分もありました。

そんな、軽い気持ちで始めたものの、初めのお店は2ヵ月で断念。スタッフさんやお客さんとの会話がままならず…語学の壁がすごく大きかったです。

そしてその次に運よく見つかった、バリスタとしての短期のアルバイト。ここでの経験が本当に濃かったです。

 

経営者も従業員も、それぞれの立場でそれぞれ思いやっている

毎週、週末だけのアルバイトではありましたが、忙しい週末でも、オーナーと二人きりでお店を回していました。

経営者とスタッフの、1対1での仕事です。

5時間~7時間二人きりで仕事をしていると、やはりお互い気遣いがとっても大切になります。

 

はじめて間もない頃こそ、わたしは気遣いどころか失敗ばっかりで迷惑をかけまくっていましたが、だんだん慣れてくると、少しづつ相手を気遣いながら仕事ができるようになってきました。

 

ここで、わたしは気づきました。

経営者は、従業員の行動ひとつひとつがどうしても気になってしまいますし、ジャッジしてしまいます。「効率よく動けているか?」「真剣に取り組んでくれているか?」と。

お金が発生している以上、できれば効率よく仕事してほしいし、できれば心を込めて仕事をしてほしい。この事業に、少しでも真剣に取り組んで欲しい。

わたしもそうでした。

でも、従業員は従業員として、ミスもたくさんするし、ここぞという時にベストな動きができない時もある。でも、いろんなところに脳みそを働かせながらも、自分を認めてほしいし、微力ながらもできるだけ力になりたい。そう思いながら働いているんだと気づきました。

少なくとも、わたしは今回アルバイトをしてみて、そんな気持ちで働いている自分に気が付きました。

 

働きながら「あぁ、わたしの元で働いてくれていた仲間たちも、こんな風に、いろんな思いやりをもって、わたしに気を使いながらも頑張ってくれてたんやな~」と。

あの時も、それはわかっているつもりだったけど、改めで自分がその立場にたったことで、もう一度深く、気づかされました。

そして、従業員の胸に響くのは、経営者の一言だったり些細な行動だったりする

そんなことを考えながら仕事をしていたわけですが、

ひとつめのアルバイトを断念したのに、この2つめのカフェでわたしがなんで「頑張ろう」と思えたか。

それは、経営者でもあり仕事のパートナーであるオーナーの、フォローの一言だったり、ささやかな行動のおかげでした。

失敗をしても、「大丈夫!次はこうしよう!」と声をかけてくれる強さ。
言葉が通じなくても「スマホで一緒に調べてみよう!」と言ってくれる忍耐強さ。
ちょっとでも時間が空いたら「脚が疲れてるでしょ?コーヒー飲んで休んでていいよ」と言ってくれるやさしさ。

そんなことがいつも身にしみて、そのたびにわたしも「がんばろう」と思えていました。

今回わたしが学んだことは、ずばりこの部分でした。

立場は違えど、一緒に働く相手を思いやることで、こんなにも良いサイクルが生まれる。
少しの声かけや思いやりの行動で、仕事は楽しくなるし「今日も1日頑張ろう」と思える。

いいコミュニケーションがさえ取れていたら「もっとこんな風にしたい 」「これを一緒にチャレンジしてみたい」という向上心やアイディアも生まれやすい。

そんなことを、また改めて気づくことができました。

 

アルバイトや正社員で働いてた20歳前半の、雇用される側での目線しか知らなかったときは、
「なんでこんながんばってるのにわかってくれへんの!」とか、
「わたしに関係ないし、ま、いっか」とか。

そんな風にしか思えていませんでした。

それが24歳から経営者側になってみて、初めて経営者の気持ちもようやく少しわかった。

でもその反面、つぎはどんどん、従業員の気持ちを理解できているのか、わからなくなってきたような気もしていました。

 

なので今回、従業員の立場でもう一度仕事をしてみて、フレッシュな感覚で、物事を見れたきがします。

すごく良かったです。

2つのアルバイトを経たからこそ

実はひとつめのお店も家族経営だったので、同じく経営者と一緒に現場で働く。という形だったんですが、正直この時は、わたしの言語力が足りないせいでコミュニケーションがなかなかうまく取れない上に、

丁寧に説明はしてくれるけど、あまり快い感じではないんだな~というのが、話をする中でのオーナーの雰囲気から感じ取れてしまいました。ということもあって、仕事中にオーナーとの会話はほとんどなく、お客さんがいない時でも、オーナーだけが休憩しながらスマホをいじっている。

わたしはというと、座る場所もなく、休憩できるわけもなく、ただただできることを見つけて手を動かす。

そんな感じでした。

あれ?当たり前なのかな?感覚がわかりませんが…
わたしが逆だったら、せっかくスタッフとコミュニケーションが取れる時間やのにな~。なんて考えていました。というより、わたしも普通にオーナーと話がしたかった!

だから、その職場では、あんまり自分の存在価値?みたいなものを、感じることができずにいました。

 

わたしが従業員さんを雇用していたときは、たとえアルバイトであっても、ひとりひとり大事に接したかったし、できるだけその人のことを知りたい。短い時間でも、コミュニケーションを大事にしたい。少なくともそう考えていたので、(綺麗ごとだけで…実際にできていたかは分かりませんが💦)

そのお店は、そんな考えではないんだろうな~なんて考えながら「まぁそれはそれで一つのスタイル」ということではありましたが、結局、結果としては辞めることとなりました。

 

このように、2つの対局のような経営者さんと一緒に働く機会を続けて経験したことで、大事なことに、より気づけたのではないかな、と思っています。

なのでどちらも、本当に貴重な経験。

 

とにかく、言葉も十分に話せない32歳の女。を雇ってくれただけでもありがたい!と、ほんとに感謝しています。

(これについても何度も想像した。わたしだったらそのような人を雇うかな~?なんて😂)

この4ヵ月の結論:わたしはまたお店がしたい

いろんなことを書いてきましたが、結論、わたしはまたお店がしたい!そんな気持ちがより、強くなりました。

コロナの原因もあって、2021年に閉店したお店。

「またどっかの国・街で再開できるまで、経験をもっと積もう」と、そんな強い気持ちを抱えながらも、辞めてしまった後悔とかいろんな感情で、やる気があまり起きず…

フラ~っと移住をした済州島ではありましたが、

 

今回のこのアルバイトの経験で、わたしはまた「自分でお店をしたい」「またスタッフと一緒に」その気持ちが膨らみました。働きながら、いろんなアイディアも湧いてきて…。

 

次にまた自分でできる日がきたら、この時の経験を思い返しながら、経営者としての感情、雇われる側の感情、お互いの気持ちを想像しながら働ける。

一緒に働く仲間のことを、もっともっとケアできるように、なりたい。そう思いました。

 

ひとつ、ひとつ、成長しながら、また早くお店がしたいなぁ。